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第4話 拒絶の力
森の明かりを目印にして歩くこと二時間。景と桐谷は、目的の場所へと辿り着くことができた。
ヒュプト村、というそうだが、人口二百人程度の小村らしい。
景たちは現在、旅の資金や地図を手に入れるため、村の雑貨屋に来ていた。
「終夜、お前それだけなのか?」
「……そういうお前も似たようなもんだろ」
村の入口で、門番のような人に村の概要や雑貨屋の場所を聞いて辿り着いたのだが、店の前で景と桐谷は互いの持ち物を確認しだしたのだ。
景の所持品、もとい初期装備は制服、スマホ、サイフ、生徒手帳、ボールペン。
桐谷の初期装備は制服、スマホ、サイフ、生徒手帳、ガム、スマホの携帯充電器、鏡。
「まっ、この中で売れるものは売らないとな。スマホはまだ何かの役に立ちそうだからキープだな」
景は桐谷の案に首肯する。できれば制服を買い取ってもらって、この世界の服を手に入れたいところだ。
「ボールペンは、高く買い取ってもらえると思う」
「どうして?」
「部屋の机を見なかったのか? 羊皮紙みたいなのとインクと羽根ペンがあっただろ? そんなに文明レベルの高い世界じゃない。ボールペンなんて見たこともないはずだからさ」
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