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玄関で母と父の2人が待っていた。二人は家中の電気をつける。一気に明るくなった家に私は安心感を覚えた。
「無事来れたわね」
「途中階段で足が滑って落ちそうになったけど」
「え、大丈夫だったの?」
「大丈夫。父さんが後ろから支えてくれたから」
私がそう言うと2人の表情は固まった。
「何を言っているんだ。父さんはずっとここにいたぞ?」
「そうよ。電気を消してからずっとお母さんと一緒だったわよ」
2人の言うことが私には信じられなかった。
「嘘。じゃあ、私を助けてくれたのは誰?」
私は振り返って家の中を見る。さっきまで背後に感じていた気配が父のではないとすれば、一体誰だったのだろうか。
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