小さい頃

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「ねー、おねーちゃん!アイスかってよぉ!この、チューってするヤツ!それか、当たりつきの棒アイスとか!あっ、パキッて半分こするヤツ発見!…うーん、全部欲しい!」 「一つだけにしなさい。」 コンビニ全体に大声を響かせる弟…全く、気が散って買い物に集中が出来ない。…けど、やっぱり彼は無邪気な子供なのだ。無下に断れば泣き出して、私が悪者扱いされるに違いない。 なので、三十分以上悩んだ挙げ句半分こするアイスを購入した。弟曰く、これなら当たり外れ無しに私と分けられるから、らしいが…私は別に欲しいって言っていないのにな。 それでも道中に“はい!”って嬉しそうに無邪気な笑顔を向けながら、半分したアイスを渡してくる弟を見ていると、そんな事別にどうでも良くなって来るのだ。 更に別の日…この日は期間限定のくじ引きをやっていた。弟は当然、それをやりたいと言い出した。対称商品を買った人だけ、廻せると言うヤツだ。 しかし、この日は対称商品を買う目的がないので反対した。そうすればやっぱり弟は抗議する訳で… 「おねーちゃん意地悪!鬼!」 それしか言う事はないのか… 私は、半ば呆れていた。
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