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はじまりは彼女の。
仕事の合間に訪れた海水浴場。
照りつける日差しが砂浜を焼き、靴底すらも焦がす。
いくらビジネスカジュアルな服装をしていたとはいえ、およそ海に来る格好ではないのは自覚していた。
でも、僕は多分疲れていたんだと思う。
企業のトップでいるため日々闘うことに。
副社長という肩書きの重さに。
波の音と人のざわめきの中で自分を無にしたくて
ふらっと立ち寄った海の家。
何軒もある中で、どうしてそこを選んだのか。
こじんまりとしていて決して目立つところではなかった。
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