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言われた方の彼女は、照れたらしく
みるみるうちに頬が赤く染まっていった。
「あ、ありがとうございます。
よかったら、また来てくださいね」
目元をくしゃっとして破顔する彼女の笑顔は、
向日葵みたいに明るかった。
ーーーー可愛い。
淀んでいた僕の胸に、パッと光が射した気がした。
人工的で機械的な会社人間ばかりが周りにいるせいか、
彼女の持つ自然な素朴さに心が洗われるような感じを覚える。
「本当にまた来ますよ」
「お待ちしてます!」
嬉しそうに笑う彼女。
海を見て癒されながら、美味しいカレーを食べるため。
ーーーーそして、君の眩しい笑顔を見るために。
きっとまた、ここへ来よう。
残りのカレーを頬張りながら、僕はひっそりと決意した。
後に、彼女をこれでもか、というほど
苦しめることになろうとは露とも思わずに。
~end~
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