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【3】 別の自分
【冬場には珍しく、さらに三日間は雨の日が続きそうです。特に関東地方では…】
「三日…」
情報を口にした途端、絶望的な気分になった。
氷のように冷えた窓ガラスには、次々と雫がついては滴り落ちていく。
エアコンのお陰で室温は快適に保たれているものの、こんな薄暗い日が三日間も続くなんて、考えただけでも頭が痛くなる。
「体ダリー…」
毎度毎度思うことだが、どうして雨の日というだけで俺はこんなに体調が悪くなるんだろう。
まるで脳ミソに鉄の枷をはめられてるような、そんな最悪な気分。どんな薬を飲んでも効かないし、次々とやって来る女も、どうでもよくなってくる。
「……」
その上、白い服を着たガキのことが、やたら気になってくる始末。お蔭で、研究も遊びも、全てが味気ない。
一番の重傷は、そんな自分を否定できないでいることかもしれない。
「…行ってみるか」
どうせ家に居たってダルイだけだし。それに、あいつと話すと、雨の日でも不思議と気分が良くなる。
(話すって…いうのか? ああいうの)
ふと、まだ二回しか会っていないことに思い至る。大した言葉を交わしていないことにも。
(…あの空気、が)
俺を混乱させるんだ。
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