ある科学者の疑念

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ある科学者の疑念

江口教授は自分と年が近いことやなんとなくウマがあう森口に今の自分の思う疑問をぶつけてみた。 「例の宇宙人だけど、人間の属性をあの画像を使い自分たちに対する好感度や反応を調査していると思うけどな」と さらに「わざと善悪などの行為をみせつけてだ」 「どういう意図だと思うか、君の感想を尋ねたい」と言った。 これに対して森口は「ああ、そうだな。俺も江口のお前の言う通りだと思うよ」といってきた。 さらに、「やつらは自分たちにできるだけ強く関心をひこうとしている。その後、何かをするために」と付け加えた。 江口教授は森口のいうことにますます気になった。 「関心を自分たちに向けさせようというのは何だ」 そして「何かをするためにというのはどういう意味だ」と強い口調で詰問した。 すると森口は江口教授に対してこう答えた。 「これはどの戦術にもあてあまると思うが、相手が多勢の場合は正面からむかっていけば当然、多勢に無勢ということで強い戦闘能力を有していたとしても人数が少ないほうが負けるだろう。 その場合は何らかの策を講じてから、相手を攻撃する。 例えばだな、相手をだますとかだ。 一番いいのは自分が何もしないで相手が無力にさせることだ」と自分の持論を淀みなく述べた。
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