コンビニガール！

　コンビニに性別がもしあるのなら、それは間違いなく女だ。

　それもある程度の歳を重ねた子持ち主婦のようなもんだろう。あれこれ便利を求められ、多種多様な役割を要求される。レジ打ちに品出し、公共料金の支払いに宅配便手続き、はては「コピー機壊れているんだけど」と言ってくる操作方法を把握していない年長者への対応まで。
　それはさながら、夫にとっての良き妻、子どもにとっての良き母、夫の両親にとっての良き嫁だけでなく、仕事先の社員として、小学校のPTA役員として、はてはそつなく交流をこなせるママ友として立ち振るわなければならない今の私の立場に似ている。

　ああコンビニよ、あなたも苦労しているのね。

　なんて身にならない思いを巡らせながら、私はコンビニの長蛇の列最後尾に並んでいた。
　駅近くにあるそのコンビニは、私にとってよくお世話になっているお店だった。有名なチェーン店コンビニは三年前に自宅の最寄駅近くに建てられた。駅出口の向かい側道路にあるそこが工事中だったときは、早く出来ないものかと心待ちにしていたものだ。