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「姫花・・焦んなくていいよ」
え?・・琉生くんの言葉に心の中が見透かされた気がした。
「俺は何時だって、姫花とキスしたいし抱き締めたい・・姫花を俺のものにしたいて思ってる。・・でも、姫花のペ―スでゆっくり俺のものになってくれればいい。お前の気持ちが追っつくまで待ってるよ」
「・・琉生くん」
琉生くんの言葉は複雑に絡んだあたしの心を綺麗に戻してくれた。
そうだ・・・あたしは琉生くんを唯・・信じればいい。
あたしの恋は始まったばかりなのだから。
「さっ、帰るぞ」
琉生くんは繋いだ手を恋人繋ぎに変えて歩き出した。
さっきまで見えてた夕陽もすっかり沈んでしまって薄暗くなった空に・・一番星が見えた。
琉生くんと繋いだこの手のように何時までも二人が離れなあように・・・あたしは一番星にそっと祈りながら琉生くんの手を強く握り締めた。
――End―
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