3

3/7
537人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
―琉生SIDE― 「ねぇ、琉生、彼女と別れてあたしと付き合って」 またかよ・・ったく、こんな女が後を絶たない。 俺に彼女がいてもお構いなしに告白して来て付き合ってくれだの、今の彼女と別れろだの・・・うんざりだ。 今、付き合ってる女は女で俺と付き合ってるせいで他の女に嫉妬されるだの苛められるだのベショベショ泣きすがってくる。 どうだっていい・・・どうせ遊びなんだから。 本気で好きでもない女に泣かれたり他の女のことで嫉妬されると面倒で興醒めしてくる。 今度の女は男たちの間でルックスはかなりいいが・・・したたかで我が儘なヤツだと噂されてた。 俺が今の今迄、付き合ってた彼女を苛めて俺から遠ざけて別れるように仕向けたらしい・・・その事も噂できいた。 俺が・・なにも知らないと思って慰める振りをして近付いてきて・・・何日もしないうちに告白してきた。 〝来るもの拒まず去るもの追わず〟の俺には誰が彼女でもどうても良かった・・・誰が相手でもただの暇つぶしだ。 「・・いいよ」 取りあえずソイツと付き合うことにした。 俺は自分が最低なのはわかってる・・・寄ってくる女もそれなりのヤツ等ばかりだ。 どうせ、俺の外見だけに惹かれて中身なんか見ちゃいない・・どの女も同じだ。 付き合って直ぐ、ソイツ・・・綾香はクラスや自分の周りで俺を狙ってる女たちへの牽制のため自分のクラスに・・俺を呼び出した。 それも・・どのクラスからも見える廊下の真中に・・・綾香は噂通りの女だった。 確かにルックスはいい方だが俺の好みじゃ無い。 綾香は周りから良く見えるように・・・わざと廊下でくだらない話をして俺との イチャイチャ振りをみんなに・・見せつけた。 ほんと話もくだらないが・・・やってる事はもっとくだらない女だ。 コイツとは長く付き合えそうに無――ん?・・そんなことを思った時、強い視線を感じた。 視線を感じた方に目をやると・・・身動ぎもしないで真っ直ぐに俺を見つめる・・女の子がいた。 目が合った・・・その子は視線をそらさなかった。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!