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抵抗して逃げようとする姫花を引摺って駅裏にある俺の姉貴夫婦が経営してる喫茶店に連れてった。 姉貴に理を入れて一番奥の席に陣取った。 「・・で?お前なんで俺から逃げようとしたわけ?」 「・・・・・」 俺のいきなりの質問に姫花は困ったように上を向いたり下を向いてりして・・答えを探しているようだった。 なんだかその仕草が面白くて・・俺は姫花をもっと困らせてやりたくて今朝の事を言ってみた。 「お前・・今朝、廊下で綾香じゃ無くて俺のこと見てただろ?」 俺の言葉に・・姫花は大きな黒目がちの目を更に大きく見開いて・・驚いたように俺を見た。 暫く沈黙した後・・やがて観念したように以外にも・・あっさりと素直に返事した。 「・・はい」 やっぱりな・・・俺は何故か・・あっさり過ぎる姫花の返事が面白くなくて・・わざと意地悪な質問をしていた。 「なんで、俺のこと見てた?」 姫花は・・予想通り困ったように顔の表情を変えた・・・ぷっ・・くるくる変わる表情がほんと面白い。 俺は益々姫花をからかってみたくなった。 「ねぇ・・俺に気があるの?」 「・・・へっ」 姫花は今度は・・驚いたように間抜けな声を出した後・・ポカンと口開けて固まってた・・ぷはっ・・・ほんとコイツ面白い。 「さっき、逃げようとしたのも俺の気を惹くためのポ―ズだろ?」 俺はこれで絶体落ちない女は無いって顔で妖艶に微笑んだ。 姫花は顔を真赤にして酸素不足の金魚見たいにハクハクして・・俺を睨んだ。 「・・んな訳無いじゃない!あんたみたいに女にだらしないバカで軽薄な男、誰が!――・・うっ」 「へ~俺って・・女にだらしない、バカで軽薄な男だったんだ?」 ぶっ・・俺の言葉に今度は真っ青になった。 「ご、ごめんなさい!お先に帰らせて頂きます」 姫花は大慌てで、自分の荷物をかき集めると猛スピードで店から飛び出して行った。 「ぷっ、はははは」 俺は笑いを堪えるのが限界で姫花が飛び出したあと大笑いしてしまった。 姫花の綺麗な顔の百面相を思い出すと可笑しくて暫く笑いが止まらなかった。
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