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俺は笑い死にするんじゃないかってくらい笑ったのは久し振りだった・・・俺の笑いが落ち着いた頃・・声がした。 「楽しそうだね?なんかいい事あったの」 目の前の席に菜緒がいた。 「ふふっ・・ちょっとな・・なに、今きたとこ?」 「うん、店に入ったら琉生の笑い声が聞こえてビックリしたよ」 菜緒は俺の姉貴の旦那の弟で俺と同い年だ・・姉貴と旦那は幼馴染み同士で結婚した。 二人の弟である俺たちも当然のことながら幼馴染みだ・・菜緒と俺は同い年てこともあって兄弟みたいな付き合いだ。 高校は別々のところを選択した。 俺の学校は男女共学の私立校で菜緒は男子校だ。 俺は家からの距離と成績で高校を決めたが菜緒は制服が気にいって決めたようだ。 菜緒の通ってる高校の偏差値はこの辺ではトップクラスだ。 菜緒は小さい頃から成績が良かった。 高校が違った今でも兄弟みたいな付き合いは変わらない。 学校が終わるとお互い毎日のようにこの喫茶店に寄るのが習慣のようになっていた。 「琉生が先に来てるなんて珍しいね、今日はデ―トしなかったの?」 「うん・・・今日はなしだ」 「へ~新しい彼女出来たのに?」 幼馴染みの菜緒は俺の恋愛事情は全て把握済みだ・・余り良い印象を持たれてない。 「・・ん?これ琉生の?」 菜緒は・・・座った椅子の下に落ちていた紙袋を拾ってテ―ブル に乗せた。 あ・・・俺はその紙袋に見覚えがあった。 姫花が・・大事そうに胸に抱えてたもんだった。 「あ、それ、さっき迄その席にいた俺の知り合いの忘れもんだ」 「ふ~ん、知り合いね・・それって女?男?」 「な、なんでそんなこと聞くんだよ?・・もちろん男だよ」 「だよね?琉生、ここに女の子連れて来たこと無いもんね」 「・・そうだよ」 菜緒のヤツ、俺の女関係のだらしなさ知っててカマかけてきやがった。 そうだ・・俺、今まで誰も・・女なんて連れて来たこと無かったのに・・なんで姫花、連れてきたんだ―― 「あ、そうだ・・ねぇ、琉生、四条姫花って子知ってる?」 「ぶっ」 菜緒の質問に思わず俺は飲みかけた水を盛大に吹き出した。
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