1014人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
グルルル……
突然、生肉を美味しそうに頬ばっていた一匹が顔を上げ、歯を向いて唸りだした。
続けざまに、他の2匹も唸り出す。
何らかの異変を察知したらしい、3匹は一様に屋敷林の向こう側を見つめている。
彼らにつられ、私も目を凝らしてみる。
すると、林の間からブラックスーツにサングラスをかけた男達が4~5人現れたではないか!
それだけでも怖いのに、さらに彼等が物凄い速さでこちらへ向かってくる。
あわわわ!
これはもしや『逃○中』…
じゃない。
いわゆる『誘拐』、拉致ってやつだ!
日本では珍しいかもしれないが、ワールドワイドではお金持ちが遭遇しやすい、スタンダードな犯罪なのだからと、彼によくよく注意されてはきたけれど(ま、聞き流してたけどね)…
マサカ日本の、それも自宅で遭うなんて!
慌てて逃げようしたのはいいが、腰が抜けて動けない。
そんな私を3匹が、まるで自分の任務だとでもいうように身を寄せてガードしてくれる。
最初のコメントを投稿しよう!