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甘い啼き声に、彼はますます興奮したらしい。
「…ごめん、もうあんまし…余裕ない」
すまなさそうに眉を下げながらも、腰の下に手を入れて、さらに奥を突き上げる。
「うっ…ふうぅ」
欲望のまま繰り返される律動に、息をすることままならない。
気をやりそうになりながらも、私はいつしか懸命に、彼の動きに合わせていた。
彼は、いつもよりずっと早い段階で、切なく呻くと、私の中でぶるっと震え、果てた。
注ぎ込まれた熱いものが、お腹の中に収まりきらず、隘路を辿ってトロリと流れ出るのを感じると、私の中に妙な喜びが沸き上がった。
でも彼は、ばつが悪かったのか。
ふうっと息を整えつつも、私と目が合うと、苦い顔で笑ってみせた。
くったりと脱力し、仰向けのまま寝そべっていた私もまた、そんな彼を見て笑った。
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