5 王妃(クィーン)と騎士(ナイト)

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5 王妃(クィーン)と騎士(ナイト)

________ 「ぷあっ。  んー、美味しいっ。  ソーセージにビールの取り合わせって最高! ほら、アナタも一杯いかが?」 「………」 「あ、あら、いらないの?じゃあ私、もう一杯頂いちゃおうかしら。  ヘイボーイ、生イッチョー…」  ウェイターを呼び止めようと挙げた手が、パシッと握られ、引き下ろされた。 「……酒類は一杯までと。そう、仰せつかっております」  チェッ。  私は頬を膨らませると、再びソーセージにかぶりつく。    私達は、ブラリと街を散策中、偶然見つけた素敵なレストランに入った。  今はちょっと遅めの昼食をいただいているところ。  こんな贅沢な時間を二人っきりで過ごせるのも、長期滞在の『新婚旅行』ならでは。  憧れのヨーロッパ、ベルリンの街。  ああ私、なんてシアワセなんだろう____  ただ、旅のお供が私の敬愛する御主人様ではなく、厳つい通訳兼ボディーガードであるという、ただ一点を除いては。
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