絡まる鍵 MEMORIAL EVE

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「奏・・・」 もう、奏のことを離したくない。 触れ合ったまま、ずっと名前を呼んでもらいたい。 ずっと・・・ 「うっ!」 「・・・え?」 今、いま、なんか・・・ぐううううっって、 すごい音が・・・ 奏の顔を覗き見ると、 ものすごく赤い顔をしている。 「あ、ああ、あなたのせいですからね!あなたの帰りが遅いから、だから・・・く、空腹で、変な音が」 「・・・わ、悪い」 真っ赤な顔で必死に言い訳をする奏。 「だから、夕飯を買いに行っていたんです」 「・・・あ、だから鍵がかかっていたんだ」 「それで、その・・・あ、あなたの分も買ってきましたが、もう食事は済ませたようですね」 「いや、食べる!」 喰い気味で言った俺に、少し驚く奏。 「そ、その、せっかく奏が買ってきてくれたんだし・・・・それに」 「それに・・・なんですか?」 「半年ぶりに、一緒に飯食って、風呂入って、寝て・・・  ずっと、一緒にいよう」 だって、一緒にいられるのは今だけだ。 その間は、片時も離れたくない。 奏はうつむきながら、小さな小さな声で・・・ 「・・・あ、あなたがしたいなら・・・別に、構いません」 そう、言った。
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