第3章

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自室に入って制服を脱ぎ、ゆったりとした部屋着に着替えると、なんとなく息がしやすくなった気がした。 ワイシャツは床に落としたまま、ジャケットとスカートをハンガーにかけて消臭剤を吹き付ける。 指先で生地に触れてみると、しっとりと濡れて冷たかった。 制服は嫌いじゃない。むしろ、このあたりでは比較的デザインがいいと評判であり、私自身それに惹かれて高校を決めた面もある。 しかし、制服を着るということはそれだけ成長してしまったということ。 それだけ、昔の私とは異なってしまっていくということ。 私は冷えてしまった指先を丸め、ぎゅっと手を握りしめた。 そろそろキッチンに戻らなければならない。 千鶴がご飯を用意して待ってくれている。 いつの間にか爪の痕が残るほど強く握りしめていた手を緩め、私は千鶴さんのもとへ行こうと部屋の電気を消してドアノブに手をかけた。 その時、私の背後でスマートフォンが私を呼び止めた。
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