第3章

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突然のバイブ音に私はびくりと肩を震わせ、振り向いた。 視線の先では、鞄のポケットに入ったままのスマートフォンが自身を照らし出し、通知が来たことを私に知らせようとしていた。 それを鞄から抜き取って通知の内容を確認すると、小説の投稿サイトからだった。 『作品にコメントがつけられました』 簡潔なお知らせとともにURLが記載されていた。 どきり、という大きな音がして、心臓の鼓動が速くなる。 作品がどれだけ読まれても、コメントというのはなかなかつかない。 どの作家にとってもコメントが届くということは、はっきりと自分の作品に対する評価をその目で形として見ることができるということ。 評価が高ければ舞い上がり、低ければ落ち込み、悔しがり、すべての感情を作品制作の糧にしていく。 コメントがつくということはそれだけ作家にとって原動力となることだった。 けれど、私にとって、コメントが持つ意味はそれだけではなかった。 おそらく、本来あってはならない、不純な理由。 私の心臓が暴れ始めたのは、その不純な理由からだった。
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