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「はい、これで完了」
そう言って、私はスマートフォンを鞄の中にしまう。
窓の外を見ると、学校まであと5分のところまで来ていた。
汗をかきながら自転車を走らせる男子生徒の横を、発車したバスが悠々と追い抜いていく。
「今書いてるのって竜と男の子の話だっけ? 男の子が行っちゃいけないって言われてた山に入って、そこで見つけた竜の子どもと友達になるやつ」
「そうそう。2ページだけだけど、更新したから」
「了解。あとで読ませてもらうわ」
「ありがと。香奈が読んで感想くれるのいつも嬉しい」
「いいってことよ。そもそもこのサイト紹介したの私だし」
そう言いながら香奈は制服のポケットからスマートフォンを取り出し、先ほど私がアクセスしていた小説投稿サイトを画面上に表示させた。
そのサイトの一番下、新着作品のところに私の小説の表紙があった。
それを確認し、香奈は再びスマートフォンをポケットに落とすようにして入れた。
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