第4章

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たった2行に収まるその言葉に、私は一晩中頭の中を支配されていた。 ぱっちりと目が冴えてしまって、眠ろうと思って瞼を下しても兄の姿が浮かんできて余計に眠気が遠のいてしまう。 なんとか落ち着こうと思って深呼吸しても、鼓動は早まるばかりだった。 そら兄。 何度も心の中で兄を呼んだ。 もしかしたら、本当に「ソラ」は兄かもしれない。 そう思うと今すぐ私の兄なのか確かめたい気持ちと、もし兄ではなかったらと不安になる気持ちとがせめぎ合い、コメントに返信することもできなかった。 そうこうするうちに夜が明け、一睡もしない状態で学校へと行かなくてはならない時間になったのだった。
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