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第4章
「あっ」
思わず喉から漏れた声とともに、両手の上に積み上げられていたノートたちがばらばらと音を立てて崩れていった。
溜め息をつき、私はノートを拾い上げていった。
まさか何もないところでつまずくとは。
今日はどうしても頭がぼんやりとして、身体がうまく動かない。
どれもこれも、昨夜見たコメントのせいだった。
千鶴から私を引き取った理由を聞いた後、帰ってきた孝人とともに冷めてしまった夕飯をたいらげ、自室に戻ると、スマートフォンが新たなメールを受信していた。
飛びつくようにして確認すると、それは待ちわびていたソラからのコメントだった。
親指を画面に置くと、選択したページが浮かび上がる。
ページのダウンロードが終わり、画面上にコメントが現れた途端、私は思わず目をつぶった。
それでもおそるおそる瞼を開けると、簡潔で短い文章が私の心を襲った。
『わけあって、今は妹と暮らしていないんです。いつかまた会えたら一緒に読みますね』
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