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あるお城観光をしていた時の事。 城内に入れるということで、料金を支払いいざ中に。 天守閣までのぼれるそのお城。 貧乏性な私は元を取るために、各階を隅々まで見て回った。 少し上にのぼった時だった。 窓が抜かれていている場所があった。 割れてしまったのを取っ払ったのか、あえてつけていないのかよくわからないが、そこだけガラスがないのだ。 あえての演出なのかもしれない。 窓の向こう側は瓦屋根が見える。その先には、城外の地上にいる人たちが米粒のように見えていた。 窓は大きくて膝下の辺りから、天井くらいまでばっくり開いている。 幅は1mといったところだろうか。 そこに差し掛かった時、私の体は自分の意志とは反して、足がその窓に向かっていく。 窓に体を近づけまいとしても、どんどん近づいていく。 このままではばっくりと開いた窓から外に投げ出されてしまう。でも、体がいうことをきかない。 突然腕を捕まれた。 一緒に来ていた友達の佳奈だった。 「大丈夫?そっちいったら危ないよ。」 私の体が再びいうことをきいてくれるようになった。そのおかげで私は最悪の事を逃れる事ができた。
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