コンビニファンタジー

Gチキン

　江野は1人で宇都宮駅にやって来た。妻の和子と娘の優奈はG病院で眠っている。ゾンビに襲われて殺されそうになった。
　コンビニ経営は大変だ。
　蜘蛛の大軍と戦ったこともある。
　沼地で溺れそうになったこともある。
　遂にこの間、鬼哭島にある洞窟で剣を見つけた。
　宇都宮東口は餃子館ってのがある。
　芸能人が数多く訪れている。
　新崎龍介って俳優も来ている。
　黒塗りのベンツがハザードを焚いている。ナンバーを見た。アーサーから教わったのと同じだ。
　アーサーは伝説の勇者だ。
　コンビニに訪れた客がヤマタノオロチによって殺された。毒霧に犯され死んだ。
　フロントガラスにはフィルムが貼られている。
　江野が近づくとロックが解除される音がした。
　車内はファイナルファンタジーのサウンドトラックが流れている。ゲーマーなのかな?
「緑島はどうだった?」
　アリスに尋ねた。
「ナカナカ面白いところでしたよ、奥さんと優奈さんは残念でしたね?」
「植物人間になっちまった、ゾンビを何としてでも倒さないとな?」
　ベンツは鬼怒通りを祖母井方面に走っていた。
　丸大チェーンって赤いネオンが見える。
「優奈は料理を作るのがうまかった、妻より腕は上だったよ?特にアイツの作るオムライスはうまかったよ」
　2人の眼を覚ますには《秘伝のにくまん》が必要だ。法改正がされ『コンビニに入って何も買わなかったら1000円の罰金刑』になってしまった。
　手当たり次第探すしかないだろうな?全財産を失っても妻子を助けたい!

　ベンツはトーヨーボール近くにあるGマートの駐車場に入った。
　ヤマタノオロチの効果は絶妙だ。大蛇から精製した毒薬で体内に残ることもない。無料の給水サービスをはじめた。他にはないサービス。「ミネラルウォーターを買う必要がなくなる、ナカナカいいサービスしてるじゃない?」スポイトでポトリと入れておいた。これで邪悪なクレーマーをまた1人倒した。
　自動ドアを潜る。ティロリロリロ♪ティロリロリロ♪
　屈強そうな店員が自動小銃を肩からぶら下げて、ドアのところに立っている。　
「頑張っているかな?」
　江野は店員に声を掛けた。
「イェッサー!(^-^ゞ」
「Gチキンのことは気づかれてないな?」
　Gチキンは人肉で出来てるんだ!誰にも内緒だよ?