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「やほー」
「ういっす」
あの電話の数日後、またいつもの居酒屋。「まるや」に来ていた。
ここは田中君の前の仕事を一緒にしていた人が開いたお店で、どうやら姉妹で切り盛りしているらしい。
「あ~、いらっしゃーい」
「おう、いらっしゃい」
最初に声をかけてくれた人はトモちゃん。一応この人が店をやりたいって言ったみたいだけど詳細は不明。
まぁわざわざ聞くことでもないからいいんだけど。
その跡に厨房から出てきたのはヤマさん。こっちが田中君の仕事仲間らしい。
2人ともふとっ・・・ふくよかで、お母さんって感じ。ちなみにどちらも2児の母。
ヤマさんは威勢がいいのか何事もキリキリ進める感じ。トモちゃんは歳の割にははしゃいでるのかな。
小学校の子供が居る割には少し落ち着きが無いような気がする。
田中君はビール、私はサワーをとりあえず注文すると田中君がタバコに火を付けた。
「あ、わり。煙そっちいく?」
「ん、へーき」
最初に会ったときに割りとびっくりしたのが田中君がタバコを吸っているということ。
どうやら高校卒業してかららしいけど、なんか不思議な感じ。
そのときに私がタバコはダメだって言ってからかなり気を使ってはくれている。
やめたほうがいいのになって思いながらもそれが彼の選択だし、人がやってることにいちいち口を出したくないから何も言わない。
「少しは吹っ切れた?」
「ん、まぁね。遠かったのもあるし、付き合うきっかけもあるからまぁ・・・」
ネットでの知り合いだったっけ。写真見せてもらったけどかわいい子だったなぁ。
「ちーっす」
「あれ、戸沢じゃん」
戸沢君。田中君と同じく同い年の同級生。どうやら店の裏手に家があるらしくたまぁに現れるらしい。
彼も私と同じく田中君の元カノさんの写真を見ていてお前にはもったいないなとか言っていたっけ。
「そういやお前、彼女とどうした?」
何の気なしにその話題振るんだな、ってか言ってなかったのか。
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