2/3
前へ
/13ページ
次へ
俺はそのとき気づかなかった。 これがわがままで、この時に縛られていくということを・・・。抜けない楔が打ち込まれていたということを・・・。 ―――俺とお前はセフレであって恋人じゃないんだから、あんまりわがまま言われても困る。 ―――ごめんなさい私、年上はだめみたいです・・・。 ―――新しい男できた? ―――好きです・・・。 一人は自分から、一人は相手から切られた。 もう吹っ切ったと、昔のことだと思っていた。思い込んでいた。 キズはもうないと、自分から突き放して、自分の落ち度で切って切られた。だから、この時はもう、大丈夫だと・・・。こいつと生きていくんだと・・・そう思っていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加