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「いらっしゃいませ~。」私は裕ちゃんとコンビニのレジにたっている。
「どういうことなんだ。これは?」
隣でふるふると振るえながら怒りを抑えている裕ちゃん。
「ごめんなさい。」私はペコペコ謝る。
まぁ、本気で怒ってはいないのはわかってるんだけどね。
なぜこんなことになっているのかというと…。
「毎日遅くまでありがとな。月島さん。」
「なに言ってんのよ。私はマネージャーなのよ。当然じゃない。」笑いながら裕ちゃんの横を歩く。
「うん、敬語がなくなったのも馴染んできたかな。」
「うぅ。」赤くなって下を向く。
高校でサッカーを再開した裕ちゃん。私は裕ちゃんと一緒に居たいからマネージャーになった。
周囲には反対された。私は中学のときピアノに力をいれ、天才姉妹音無律華と咲良に勝って優勝したのだ。当然高校でもその道に進むと思われていた。けど、私がピアノに集中できたのは裕ちゃんがいたからだ。裕ちゃんは大切なサッカーを封印し、3年間私のレッスンの送迎をしてくれたのだ。
「今度は私の番です。嶋田くんのサポートさせてくださいね。」裕ちゃんがサッカー部のドアを叩く前に、私は裕ちゃんの前に立ちふさがった。
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