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「言ってる意味がわかってんのか?」裕ちゃんも当然反対した。
「中学1番のピアニストがサッカーのマネージャー?だめに決まってるだろ。」
いつもになく強い言葉で言われる。わかってる。裕ちゃんの気持ち。でも…。
「小学生最優秀選手だった人が中学のとき私になにしたのですか?」私は泣きながら反論した。裕ちゃんに、反論したの初めてだった。
確かに事情はあった。けど、私は裕ちゃんのサッカー自体を奪っていたのだ。だから、今度は私の番。
「はぁ、言い出したら聞かないからな。月島さんは。けど、男子の部に月島さんを連れていくわけには…。」今度は私の心配をしてくれる。
巷では私は絶世の美少女と呼ばれているらしい。恥ずかしいんだけど。
3年連続ミス第5中学にも選ばれた。そんな私を心配してくれているのだ。もう、優しいんだから。
「それなら嶋田くんが守ってくれるんですよね?」
こんな私が無事に過ごしてこれたのも、裕ちゃんのおかげ。常に私のそばにいてくれたんだから。
「よし、わかった。それなら、俺と特に仲良しな関係を見せなければならない。だから、今日から敬語は禁止ね。」
「はい?」私は耳を疑った。裕ちゃんとは出会ってからずっと敬語だ。裕ちゃんは女の子を名前を呼び捨てかちゃんで呼ぶが、私だけは月島さんだ。だから私も敬語がとれなかったのだ。
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