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「出来るわけないじゃないですか。」私は真っ赤になる。
「マネージャーになるには相当な理由がいるぞ。それでも周囲は納得しないかもしれない。出来ないなら俺は音楽室に連れていって、そこに置いていく。」
裕ちゃんはどちらなんだろう?出来ないのを分かっていて突き放してる?裕ちゃんを見る…。違う。そんな目をしてない。
「わかった。私頑張るから。そばにいさせてね。」涙をぬぐう私を優しく抱きしめてくれる。
彼女でない女の子を抱きしめるのもどうかと思うけど。けど、私はこの人に小学校の時から甘えてる。だってこの抱っこ。堪らないんだもん。
幻のGKの加入。裕ちゃんの年代の有数の選手が集まり、上杉さんをはじめとした先輩たちの活躍で、夏のインターハイも県大会決勝戦まで来た。相手は裕ちゃんの最高のパートナーで、最高のライバル、佐々木太一君の四日市第4工業。ここ10年以上三重県の代表高である。
そのため、練習にも力が入り、今日も帰りは真っ暗になってしまった。夏なのに。
朝は茜ちゃんも一緒だけど、帰りは私達二人。裕ちゃんが先輩に言ってくれたおかげで、誰も私に言い寄ってこない。
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