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「今日は止めておこうか。」
今はやんでいるが、ついさきほどまで降っていた雨で、いつも通る近道農道は泥でぐちゃぐちゃになっている。
「うん、そうしよ。」大通りの方へでる。
「…。」
「どうかしたのか?」あるお店の前で私の足が止まる。
そのお店は、コンビニエンスストア。いわゆるコンビニと呼ばれているお店。
「コンビニがどうかしたのか?」
「嶋田くんはコンビニ入ったことある?」
「えっ、普通にあるけど。」
「…。」
「どうしたんだ?一体。」
「笑わない?」
「何をさ?」
「笑わないって聞いてるの。」
「いつになく真剣だな。よし、笑わずに聞いてやろう。」
「私ね…。コンビニ入ったことないの。」といって下を向く。
「…。はぁ?」
「コンビニ入ったことないの。」
「…。」顔を見合わせる。
「くっ、くくっ、笑っちゃダメだ。」
「むぅ~。」
「だ、駄目だぁ。はっははははははっ。コンビニ入ったことないの?月島さんは古代人か?ぐぇ。」
カラカラ笑う片想いの人に強烈な霧をお見舞いしてやる。
ペコペコ謝る裕ちゃん。ふんっだ。
あれ、今の霧はなに?何で霧が?
「わかった。わかった。お詫びにジュース奢るからさ。」
といってコンビニに入る裕ちゃん。
私はあわてて彼の腕に絡みついた。
だって怖いんだもん。
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