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「勉強してねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
俺はそんな叫び声を上げながら起きた。昨日の夜に予想したことが現実となった瞬間だった。ていうか、予想出来たならなぜ行動しなかった!?昨日の俺バカだろ!!眠さにかまけてしまった怒りをぶつけるあてもなく、己を恨み叫ぶしか方法が無い現実に心底呆れてしまう。
「お兄ちゃん!!もぉ~いつもいつもいつもうっさい!!なんで朝になると叫びだすの!?ヴァンパイアか何かなの!?」
俺の叫び声を聞いて、俺の部屋に何のためらいもなく入ってきた栞に、こんな具合に罵倒される。(いつもいつもいつもって、俺が毎日のように奇声をあげてるみたいじゃんか。)
「あ~わりぃ、今日の試験勉強を全然やってなかったことに対する絶望の断末魔だ。軽く流してくれ~。」
「あ~の~ね~、朝からあんなバカみたいな声出してたら、優雅な朝が迎えられないでしょ!!それに、試験勉強をしてなかったのは、お兄ちゃん自身のせいだし。昨日だって、どっかのお嬢様と夜のデートしてきたんでしょ!!そんなの自業自得じゃん。さっさと試験に落ちて、めでたく西ノ森を退学した方が学園の為ね!!」
栞は、フンッと鼻を鳴らしこの罵詈雑言を一息で言い切った。てかよく息がもったな。お兄ちゃんは感心だ。
「栞、兄ちゃんはデートなんかしてないぞ。西条さんに勉強を教えてもらいに行っていただけだ。」
「へぇー、お兄ちゃんのことだから、どんな勉強だか。」
「栞、むしろどんな勉強なんだ?兄ちゃんはバカだから分からないんだ。教えてもらえるか?」
「なっ……!」
「お兄ちゃんのバーカ!!ママに言いつけてやる!!」
栞は勢いよく俺の部屋を飛び出し、リビングへとかけ下りて行った。
てか、昨日と言い今朝と言い、母さんに言いつけること多く無いか??このままだと、西ノ森中退どころか、先に人生を中退するまでありえるから怖いところだ。
ふとスマホを見ると、不在着信を知らせるランプが点滅していたので確認した。
……着信38件……相手は西条さんだ。どんだけ俺のこと大好きなんだよこのお嬢様は。今日学園に行って直接会って謝っとくか。
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