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「え?だって……あの子だし。祐一は、あの子に少なからず好かれてるみたいだから、お姉ちゃんが守ってあげたの。エライでしょ?」
姉ちゃんは、『褒めて?』と言いたげな顔で俺のほうを見る。西条さんはやはり何かあるのか?
「姉ちゃん、西条さんって何かあるのか?」
「え!?祐一知らないの?えっとね~、ってヤバッ!もう試験の時間近い!!お姉ちゃん先に行くねー!」
姉ちゃんは、ダッシュで先に行ってしまった。姉ちゃんも西条さんのこと知ってるのか。一体なんなんだ?『あの子』とか、俺を『守った』とか。まるで西条さんが悪者みたいじゃねーか。そんな煮え切らない考えを巡らせていると、時間がやばいことに気付いた。俺は、真っ白になっている栞の意識をなんとか引き戻し、学園までダッシュをするハメになった。
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