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5.誰しも心の陰りを持つのは至極当然のことである
西条さんと話をした日から数日。あれからというもの、毎朝のように西条さんは俺の家へ来てくれる。俺と栞は西条さんの家の車に乗せてもらい学園まで登校している。
「今日も西条さんが来たら紅茶が淹れられるように準備でもするか。」
今の時間は、朝の6時。俺はベッドから起き上がり、身支度の準備をする。毎朝西条さんはだいたい7時くらいに俺の家へ来て、(早ぇよ)朝の紅茶を飲んでから学園に一緒に登校する。そんな生活をしているので、当然俺も西条さんが来る前に起きて一人静かに準備をするようになった。だが、今朝は1つ異変が起きた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
突然家中に響き渡る声の悲鳴が聞こえた。その悲鳴の出所は栞の部屋からで、悲鳴の主も栞である。とっさに体が動き、栞の部屋へ猛ダッシュで向かった。(といっても、隣の部屋なのですぐなのだが。)
「栞!?!?どうした!!大丈夫か!?」
部屋のドアを蹴破るくらいの勢いで開け、中にいるであろう栞を確認する。
「や、やめ……やめ……て……。パパ……ママ……、行かないで……。」
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