こっちだよ...

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
夏休みだというのに、1、2度海や山に行ったきり。 後はクーラーの効いた部屋でゴロゴロしてるだけ。 バイトがある日はいいが、次の日が休みで 特にやることもない蒸し暑く退屈な夜。 そこのあんたも身に覚えくらいはあるだろう? 俺は今この瞬間そんな退屈に悶々としてる。 そこに友人から電話で女友達を交えた肝試しの誘い。 こんな時、あんたならどうするかな? もちろん、迷わずその誘いに乗ったよ。 そりゃ確かにあわよくばなんて考えもあった。 だがそれ以上に退屈を凌げる特別な何かをしたいのだ。 電話を切った後、髪をセットしてお気に入りの服を着た。 「よう、いきなり誘って悪かったな。準備は出来てるか?」 「どうせ暇だったし、明日はバイトも無いから構わんよ。」 適当に挨拶を交わし友人の運転する車に乗った。 車内で初めて会う女の子に簡単な自己紹介をした。 「今から行くのは所謂心霊スポットなんだけどさ...」 そんな出だしから目的地に関する話が始まった。 その場所の内容を大まかにまとめるとこうだ。 その場所は事件が起きて廃墟になったホテルだ。 事件というのは客の女が屋上から飛び降りたらしい。 そして、未だにその時の女の怨念が渦巻いてるそうだ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!