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このイケメンの名前はラズらしい。
しかし、先ほどの人物達、
「武器を手に追いかけてきていたよね、ラズを。しかもドラゴンもいたし」
「そうなんだ、たまたまあの、空飛ぶ島に気が付いたらいて、それからあてどなく歩いていたのだけれど……そうしたらああいった人達に追いかけまわされ、島の端から地上に」
「気が付いたら島にいた?」
「そう、俺は名前などが断片的に覚えていたりしているだけで、記憶喪失みたいなんだ」
「え」
僕はついそう声を上げてしまう。
空から降ってきた記憶喪失の人物とまで言ってしまうと、何かの物語が始まってしまいそうだが、それは現地人の前に落ちてきてこそだと思う。
この世界について何も知らない僕の前に落ちてくるのは、ちょっと問題があるような。
ここはせめてこの世界の事情に詳しい人か、女の子を!
ぜひ可愛い女の子というか美少女を!
と思ったけれどこのイケメンのラズが変身するわけでもないのでそれ以上僕は考えるのを止めて代わりに、
「記憶喪失というけれど、どの程度思い出せるのかな」
「断片的に覚えている感じだ。記憶が引きずられるように思い出されたりはするかな」
「うーん、その記憶喪失の時に、彼らに囚われそうになる原因があると?」
「……分からない。覚えがない。ただ……」
そこで何か思い当たったらしいラズが僕を見上げるようにして、
「俺が怖くないのか?」
「え? なんで?」
「俺、化け物だから」
などと言い出した。
それを聞いた僕は、
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