他にヒントも何もない

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「え? そうなの? 僕には普通の人間に見えるけれど、まさか、この世界では化け物が普通の人間のように僕達異世界人には見えるとか」  そう言って僕がガタガタ震えていると、イケメンが唖然としたように僕を見て、次に微笑み噴出した。 「いや、そうか異世界人なのか」 「え、あ、言っちゃった」 「だから俺の事を化け物って言わないのかな?」 「で、でも普通の人に見えます」 「見かけはそうらしいけれど彼らに俺は化け物のように感じられるらしい。うん……リト、一つお願いがあるんだけれど」 「? 何でしょうか?」 「僕をリトと一緒に連れて言って欲しいんだ。あの島の普通の人達も、俺が人型には見えるらしいけれど変なものを感じるらしくて、嫌がられてしまって」 「……変な物……僕が異世界人だから感じないのかな。そもそも僕、この世界にアプリで連れてこられただけで何をすればいいんだろう?]  変な召喚をされてしまった僕。  特殊能力(チート)はあるけれどどうすれば。そうだ! 「スマホに、スマホに何かヒントが! ……えーと、何々? “クローズガーデン”へようこそ。この世界を楽しんでいってね! ……他にヒントも何もない。あ、ネットにつながる、いや、繋がるのはいいけれど、僕、これからどうすればいいのかな」  そこに書かれた適当な内容に、僕は目の前が真っ暗になった。  どうしようかと僕は考えて、どうせ旅をするなら、 「一人よりも二人の方がいいか、うん」  旅は道連れ世は情けっていうしね、と僕は思って、不安そうに僕を見上げるラズに、 「じゃあ、これから旅をすることになるけれど、これからよろしく、ラズっえ、ふわっ」  そこで僕にラズが抱きついてきた。  僕より背の高いイケメンに抱きつかれている僕は、どうしようと思っているとそこでラズが、 「よろしく、リト」  とても嬉しそうにそう言って、更に僕の体を抱きしめる力が離れないぞというかのように強くなったのだった。
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