懐かしい感じがする

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 ラズが言うには僕の服にも魔力を感じるらしい。 「し、知らないよ。だって僕の世界には魔法が存在しないし!」 「魔法が存在しない? それは無いと思う。もしも魔法が存在しないならそれは、目に見える形で魔法が“実体化”出来ない世界なのだと思う。観測できないがために、無いものと同じなのかもしれない」 「そ、そうなんだ……は! もしやだから魔法的なアプリで僕はこの世界に飛ばされた?」  魔法は僕達の世界では使えないけれど、あのスマホアプリはこの世界と繋がっていて、境界が曖昧になったから魔法が……とか?  僕はそう思って慌ててスマホを見るが、先ほどのようこそ異世界へ、みたいな御馴染な言葉しか見れない。  そこでラズが僕のスマホを見て、 「何だかこれ、懐かしい感じがする」 「え? そうなんだ。あれ、ラズはもしや異世界人だったとか? 僕と同じ世界の人?」 「……違うと思う。この道具は俺に覚えはないけれどこの……発せられている魔力に、懐かしいものを感じる」 「うーん、じゃあこのアプリを作った人が、ラズの知っている“人物”なのかな?」  そう僕は考えてから、異世界に呼び出したりするのは普通は“神様”とかだったよなと思ったけれど、それと遭遇した記憶もないのでよく分からない。  分からないことは思考の端に寄せて、僕はラズに、
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