懐かしい感じがする

3/3

906人が本棚に入れています
本棚に追加
/495ページ
「そういえば僕の服からも魔力を感じるっていうけれど、どんな風なものなのかな?」 「防御力が高そうかな。もっと詳しく知りたいのなら、宿に行ってから詳しく見てみてもいいと思う」 「確かにゆっくり確認した方がいいかな。そういえばラズ、さっきの売った布って、やけに感動されていたけれど、この世界には合成された染料ってないのかな? あったとしても、浮遊大陸にある?」  記憶喪失だけれど、ヒントくらいは無いかなと僕が思って聞いてみるけれど、ラズは首を振り、 「合成染料の類に関しては分からない。ただ、浮遊大陸の魔法技術は地上よりも数十年、場合によっては数百年進んでいると言われている」 「そうなんだ。僕達の世界でもその昔、紫色は貝から染料を取っていて、高級品だと何かで読んだことがあったから……天然ものがこの世界では主なのかなって」 「そうかもしれない。でもあの布の価値はその模様も色も素晴らしかったが、付与された魔法が凄かったからな」 「え? 何の話?」 「リトは俺の“鑑定スキル”で見たあの布の効果を見ていなかったのか?」 「う、実は値段しか見ていませんでした」  僕が誤魔化すように笑うとラズが少し考えてから、 「……“炎への耐性・超”」 「!?」 「……“氷への耐性・超”」 「!?」 「……“雷への耐性・超”」 「!?」 「他にもいくつかあったが、超といった効果がついているのは多分、とても貴重で高級品だ。それこそお金で買えないぐらいの」  予想外の回答に僕は凍り付きながらも、何故という気持ちで必死に考えて、 「ま、まさか、この世界に持ってくると、特殊な効果がつくとか?」 「確かに、リトの服も魔力を感じるな」 「じゃあ硬貨(コイン)にも?」 「そういえばあの硬貨(コイン)にも……は、早く宿で僕の服とか、ラズに見てもらう!」  なんだかすごい力を僕はもってしまっているみたいだ、そう思った僕はラズの手を引き、宿を探しに走り出したのだった。
/495ページ

最初のコメントを投稿しよう!

906人が本棚に入れています
本棚に追加