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信濃方面軍・真田の陣内。
真田安房守昌幸は北条からの密書に目を通してからすぐに燃やした。
昌幸は笑みを溢した。
「頼綱」
「はっ」
「北条に勝算はあると思うか?」
「ほぼゼロに近いかと」
「他に北条に味方する者が居たとしたらどうかな?」
「勝率は多少上がるかと」
「千代女」
「はっ」
真田女忍び棟梁が現れる。
「この密書を....宛てに」
「御意」
伊達政宗の黒川城内一室。
「小十郎」
「如何に致すか?」
小十郎とは、片倉小十郎景綱と言い。
独眼竜政宗の腹心で名軍師の一人である。
「豊臣家に服従するかしないかの二択ですな」
「伊達の総兵力はどれくらいか?」
「三万くらいですが、国本に半数は残さないとならないです」
「一万五千程か」
「それでも伊達軍の意地を見せようではないか、小十郎?」
「御意」
「急ぎ主な家臣団一同を黒川城に集めよ!」
「はっ」
半日後、黒川城に留守政景・他武将の一万五千の兵を残して、伊達政宗率いる一万五千の軍勢は鉢形城へ向けて出立した。
八王子城の北条氏照は、鉢形城の北条氏邦と川越城の大道寺政繁と緊密に連携していた。
伊達勢が援軍に来てくれれば信濃方面軍とは互角以上に戦えると氏照は心の中で呟いた。
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