第一章 準備

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相模湾防衛大将の北条氏規は堤防の上から海を見渡していた。 「敵はまだ来ぬか、見張りを怠るな!」 「御意」 家臣に伝え、本陣に戻った。 小田原城本丸。 「父上、箱根城まで氏隆の後詰めに一万の兵で向かう事を御許し下され!」 「良かろう、行くがよい!」 北条家当主・北条氏直は北条幻庵ら兵一万を率いて箱根城に向かった。 信濃方面軍は八王子城に前田利家他の三万。 川越城に上杉景勝・直江兼続他の一万五千。 鉢形城に真田昌幸他の信濃国人領主の五千。 長宗我部元親を大将の水軍(上陸隊)二万は伊豆半島を越え、明日には相模湾に着く予定になっていた。 東海道を進む豊臣本軍は羽柴秀次を先発隊の大将に四万の兵を任される。 副将に宇喜多秀家。 堀尾吉晴・山内一豊・池田輝政・堀秀政・石田三成・大谷吉継などの諸大名。 第二陣に織田信雄を大将に織田信包・黒田官兵衛・細川忠興・蒲生氏郷などの諸大名の三万。 第三陣に徳川家康率いる家臣団の三万。 本陣に豊臣秀吉率いる諸大名の五万である。 史上初の大規模攻防合戦が今にも始まろうとしていた。
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