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「ねぇ知ってる?今、学校中で噂のコンビニの話。」 学食を一緒に食べていた親友の沙織里が話しかけてきた。 沙織里の口の中には、ほおばったいっぱいのうどんの麺が所狭しと詰め込められている。 話すと、汁と噛み砕かれたうどんの麺がそこら中に飛び散る。 なぜか口に食べ物を入れてから話し出す。 沙織里の悪い癖だ。 何度も注意したが直らない。 世にいるクチャラー(クチャクチャ音をたてて食事をする人のこと)と同じぐらい不快だ。 「なにそれ?」 私は食後のお茶をすすりながら返事を返した。 「ぶべっ?知らないの?」 たぶん噂は相当まわっているのだろう。沙織里はかなり驚いていた。 それと同時に、相当数の食べ物が沙織里の口からフードバックされた。 テーブルが食べ物まみれだ。 「知らないよ。ご飯食べ終わったら詳しく教えて。」 もうさすがに今日の沙織里にはついていけない。 テーブルの上に汚れたときに使うペーパーナプキンが、すでに山のようにつまれていた。 それでも沙織里が話し出そうとしたので、食べ終わったらでいいよ。と釘をさしたら、その後は静かに食事に集中してくれた。
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