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「起きてる?」
「う、うん。どしたの?」
久保田くんのことを考えていたことに後ろめたさがあるのか、私の声はうわずっていた。
「なんか、真紀子さん昨日からちょっと変だよね、別人みたいな」
「なにそれ、別人って」
別人ではないけど、「するどい、正解」と心でつぶやく。すると、隣でもぞもぞと奏太郎が動き出した。よく見ると、奏太郎が隆幸にゆっくりと動かされ場所を移動させられている。
(えっ・・・)
そして、奏太郎がいた場所に隆幸が寝転んだ。私にぴったりとくっついて。
(あっ)
布団の中で手を握られた。
(私、このあと・・・)
と、覚悟を決めた時、隣から寝息が聞こえてきた。手を繋いだまま隆幸は寝ていた。
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