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現代~イケメン久保田のアプローチ~
朝起きると現代だった。
「なに?交互にくるの?これ・・・」
頭によぎるのは、未来の旦那さん隆幸、そして、
「久保田くんが・・・、う~ん」
学校に着くと髪の色が落ち着いている明美が寄ってきた。「隆幸くんとこ行こう」と誘われた。ニヤニヤと面白がっているのが丸わかり。
「うん」
教室に行くと、案の定机に突っ伏して寝ていた。どうしよっか、と二人で顔を見合わせていると、
「何やってんの?」
聞き覚えのある声。声の方に振り向くと、久保田君が近づいてきた。
(あっ)
意識して目をそらした私を見て、
「あー、わざと今、目をそらしたでしょ」
ぐっ、するどい・・。どうにかごまかそう。
「いやいや、地面に何か動くものが見えて」
「どれ?」
と、私の真横にならんで、私の視線を追った。近い。
顔が真っ赤になってるだろうことを確信しながら、それを悟られないよう、距離を取る。が、その度に近づいてくる。
「ん?」
お前・・・と何かを言いかけるのを必死で阻止する
「あ、やっぱりーネズミがいるよー」
「え、どこ?」と辺りを探す久保田君、私は苦し紛れにバックのミッキーマウスのキーホルダーを真後ろに放り投げた。
「今、お前が投げたよね」
そりゃ、バレてるよね・・・。
それでも、久保田君はそれを拾ってくれた。
「しかも、ネズミってさ・・・。はい。」
そういって差し出されたキーホルダーを受け取ろうとすると、その手を握られた。
(えっ)
「なんか、最近お前一年の教室に行ってるらしいけど。男か?」
真剣な表情で見つめてくる。いや、睨まれている?私はたまらず目をそらした。
「え、うん。まあ」
何か悪いことをしているような気持になりながらも、手を振りほどこうとするがなかなか離れない。
「ふ~ん」
握られている手、鼓動が止まらない。気が付くと、久保田君は手を握ったまま私の後ろを睨むように見ていた。
「あの・・・」真後ろから声を掛けられた。久保田君が睨んでいたのは、この声を掛けてきた人。
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