家族団らん♪

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家族団らん♪

急かす隆幸と奏太朗に連れられるがまま車に乗り込むと、高速に乗って一時間半、大きな遊園地に着いた。奏太朗と手を繋ぎながら、園内に入ると人混みで溢れかえる。 「真紀子さん!」 隆幸は、はぐれそうになった真紀子の手を取って奥へ奥へと突き進んでいく。ドキドキとする真紀子をよそに、 「奏太朗、今日は全ての乗り物を制覇するぞ!」 と、張り切る隆幸。身長制限のある乗り物を飛ばしながら、家族で乗り物に乗っていく。並ぶ時間も長かったが、真紀子にとって、この時代の情報を得るとても貴重な時間になっていた。 「結婚してから、あっという間だったよね」 隆幸の言葉に、 (ホント。あっという間どころじゃないよ。) と思いながら、どうにかその「あっという間」にどんな出来事があったのか知りたかった。 「プロポーズの言葉、なんて言ってくれたんだっけ?」 いじわるそうな顔で隆幸に聞く。さも「知っているけど、もう一度言って」という感じで。 「何言ってんの?結婚してくれって言ったんでしょ。奏太朗、ママがパパに結婚してって言ったんだよ」 そう言って、奏太朗に振る隆幸の様子から、 (逃げたな。相当恥ずかしいプロポーズの言葉だったに違いない) そう思って、真紀子は笑ってしまった。 「隆幸は明日仕事?」 そんなことを聞きながら、どんな仕事をしているかを聞きたかった。 「当然。真紀子さんは?」 (え?私も仕事してるんだ!?) 必死で自分の旦那のことを探りながらも、自分自身のこともわからないことに今更ながらに気が付いた。 「う~ん、休み、だったかな?手帳確認しないとわからないや。最近、仕事のほうは順調?」 とにかく質問攻めにしたい。隆幸も真紀子もちょこちょこと奏太朗を構いながらも、話をしている。 「楽しいよ。子どもはやっぱり可愛いしね。これから移動教室に向けた準備や学習に入るから、また忙しくなるよ」 (子ども?移動教室?) 「転勤はあるんだっけ?」 「転勤って言い方はしないけど、異動はあるよ。とりあえず、来年度は大丈夫そうだけど、そのあとはわからないね」 「どこに異動になるの?」 「わかんないよそんなの。異動の話も出てきてないのに」 探り探りの質問も、慣れてくるとどんどん雑になる。回りくどい質問がめんどくさくなる。
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