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夕方にお風呂をいただいて、ふと風呂の向かいの障子が少し開いていた。
(後輩が言っていたのはこれか)と思いつつ、気になってそーっと覗いてみた。
中は電気もつけていないので真っ暗…。
うっすらと4畳半ほどの和室だとわかる。
目が慣れてきて、その部屋の隅に毛布を頭からすっぽりかぶって包まっている人が見えた。
ドキッとしが、何食わぬ顔をしてそーっと広間へ戻っていった。
なにか事情があってのことなんだろうと思うことにした。
その後、食事の配膳準備で部屋の前を数回通ったが障子は閉まっていた。
もし開いていても見る勇気はなかった。
明日は合宿最終日なので、夕食後、花火をすることに…。
私は一足先に玄関前の中庭へ行き、おばさんにバケツをお借りして水道水を入れてみんなを待っていた。
おばさんが「私はやすみますので、後はお願いします」と言って帰られた。
水を入れている間、1人だったせいか時間が長く感じられ、退屈だなと思っていたら、ふと視線を感じた。
目を向けると例の和室の反対側の障子が見えて少し開いていた。
中から毛布をかぶった人がこっちを見ていて「あっ!」と驚いた瞬間、障子がピシャ!と閉じ、同時に奥から「キャー!!」と叫びながら後輩たちが走ってやってきた
「せ!先輩!!幽霊が出たぁ!!」
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