王子あらわる?

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「ちなみに私も、今日だけは抜けなきゃならなくて。2人で大丈夫よね?カグさんなら」 翻訳のアルバイトを掛け持ちでしているのは知っていた。 来年大学を卒業する真津子さんは語学に長けていて、地方紙のモデルもした経験がある、すらりとした長身の知的な美人だ。 夢は海外で通訳の仕事をしたいとか。 いや、だからって。 いきなりその状況は。 「わたし顔も知らないんですよ?」 泣きそうになるも、 「大丈夫。カグさん好みのイケメンだから」 「はい?そういう問題では……」 「じゃあ、そういうことで、よろしく」 お店を安心して任されることに関しては嬉しいことだけれど。 新人が来るとなると、状況が変わる。 そんなばかな。
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