奴が来た

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「ふーん?そうなんや…」 なんだ。 なんだその顔は。 その表情は。 ふっ、とわすがに一瞬、寂しいような悲しいような目になり、隠すように反らす。 「なっ、なんですか」 「いや、なんも。ほな、おおきに」 そして出ていったあと。 「あの人、楓さんに気があるんじゃないですか?」 夕方から入っている、2年後輩で大学生のバイト、澤口佐和に小突かれる。 「はあ?!まっさかあ!!」 気に入られる覚えはない。 気に入られたくもない。 冗談じゃない!!!
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