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ここじゃなんだから、と案内されたのは、捜査一課。もちろん、私も一緒だ。置いていかれても困るからな。
「おい、笹倉。またあいつが来たのかよ」
「いや、でもほら。あいつならさっさと解決するじゃないですか」
「ああん? あいつの手を借りないと俺らが事件解決できないって言いたいのかよ」
「いや、本当、先輩のお怒りはごもっともなんですけど……」
「まあ、実際、手詰まりっすからねー」
「密室殺人とか、明らかにあの死神の領分だからな」
「つーかなんだ、あのカラス」
ひそひそと刑事たちのやりとりが聞こえる。うざいのはよくわかる。しかし、私はカラスではない。
慎吾は、そんな言葉に耳を貸さず、資料をぺらぺらとめくっていく。やる気なさそうに。
この男のことを心配しているわけでは、けっしてないが、損をしていると思う。
そんな風にやる気がなさそうだから、嫌われるのだ。もう少し、やる気を見せればいいのに。優秀なことに間違いはないのだから。
「九官鳥だー」
「やーん、可愛いー」
「こんにちはー」
「コンニチハ!」
「わー、かしこーい」
私は私で、通りすがりの婦警さんたちに遊ばれていて忙しいのだが。
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