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私が再びリビングへ戻ると、彼はとても冷たい表情でいた。
「あの、蓮池さん……」
「なんだ」
あからさまに視線を逸らされてしまう。
「お夕食にされますか?もう、できておりますが……」
「いや、先に、風呂に入る」
「あ、はい……」
蓮池さんは私の顔も見ずに、浴室へ向かった。
「どうしたのかな……」
私、何かしたのだろうか。
サークルを見学したのが、気にくわなかったのだろうか。
しかし、フルート講師を見つけるほど協力的だから、それは考えにくい。
彼は本当は優しいのだから。
忙しい中、私と夕食を共にして、決して褒めてくれないが、私は満たされている。
あまり、考えるのは止めよう。
彼の優しい部分だけを、見ていたいのかもしれなかった。
私は作った料理を、テーブルに並べ、彼が出てくるのを待った。
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