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翌日の大学で、私は友梨香にすべてを話した。
“キス”という単語を出すのは恥ずかしかったけれど、一人で悩むのはたいへんで、どうしようもなかった。
だって、昨日は買い物したあと、彼は自室にこもってしまい、夕食を一緒に食べただけだ。
キスのことはまるで忘れたかのようだった。
何度も食事中、彼に聞こうと思ったが、そんなこと、私はできなかった。
昨日から、ずっと共哉さんの言葉と行動を思い出している。
今も……
「友梨香、どうなんだろう……?」
「どうって、簡単じゃん」
「え……?」
「キスがしたかったって、気持ちが葉月にあるからでしょ」
私に気持ちがあるなんて、なんて都合のいい解釈だろう。
「キスなんて気持ちがないのにしないわよ。身体を開くならともかく。そんなに悩むなら行く?」
身体を開く……
私は大人なことにくらくらしそうだ。
今はそんなことまで考えられない。
頭が、パンクしちゃいそうだ。
私と友梨香は講義のあと、占いに行った。
しかしそこで、先生にも友梨香と同じことを言われて、私は悩んだ。
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