想いの確認

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「休みたい」と、言っていた彼だが、さすがに簡単に休める立場じゃないのが現実だ。 私より、先に家を出ていった。 「お前はもう少しゆっくりしとけよ」と、言って、ベッドにいる私に優しいキスを落として…… 宮前さんの前で共哉さんと顔を合わせるのも恥ずかしいし、ちょうどよかったのかもしれない。 私はというと、彼が出かけてからベッドから離れ、床に脱ぎ捨てられたパジャマを身につけた。 その際、胸に赤い痕がついていて驚いた。 しかしすぐ、彼がつけたものだと理解し赤面する。 あんなことをしたあとだから、シーツは皺だらけで、さらに私を恥ずかしくさせた。 とりあえず布団を綺麗に正さなきゃ…… 私は皺を伸ばそうと布団を捲った。 「あ、わ……」 シーツの上にはあまりに生々しく残っているものがある。 「ど、どうしよう……」 しばらくシーツの上から目が離せない。 次に思ったことが、宮前さんの存在だ。 彼女は掃除に部屋に入る。 しかし、今朝、共哉さんが彼女を部屋に入れないと言うと言っていた。 もしかすると、このことを考えていてくれたのかもしれない。 頭の中は不安でいっぱいになる。 けれど、それよりも、たくさん恥ずかしい…… 大人になることは大変だ。 私は大丈夫だろうか…… 普通にできるのだろうか…… 今日一日、この部屋でこっそりと過ごしたくなってきた。 しかし、そういうわけにもいかない。 シーツは帰ってすぐ に洗濯しようとまた布団をかけ隠す。 小さい頃から悪いこと、隠しごとをしたことがなかった。 なんだか、初めて悪いことをした気がして、胸がドキドキした。
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